涙の般若心経
これらでピンとくる人はご存知かと思いますが。
お母さまの泰子さんの著書「金澤翔子、涙の般若心経」を読みました。
夢中になって2時間で読んじゃった。
そして、読みながら涙をこらえるのが大変で、
次から次へとこみあげるものがあって、
悲しさや辛さも伝わってくるんだけど、とっても希望に溢れた本でした。
お母さまの、ダウン症の子どもを産んだことに対する苦悩から始まり、
障がい者に対する偏見にさらされ、保育園や学校生活での出会い、
家族を失い、書の道を親子二人三脚で進んでいく半生をつづったものです。
ダウン症という絶望から、書を通じて希望の光を見出し、
今ではダウン症患者やその家族の希望そのものとなっている翔子ちゃんが本当に素晴らしい!
一番印象に残っているのは、
翔子ちゃんの書を見て感動した方が
『ダウン症に1本染色体が多いのではなく、他の人が1本少ないのでは』とおっしゃった、と。
大多数の健常者とくくられる人と少数の障がい者とくくられる人たちの間に、優劣はなく、
翔子ちゃんの損得勘定のない素直さとか純粋さに、
更には翔子ちゃんの生み出した作品から
人の存在価値を感じる言葉だな~と震えながら読んでました。
自分が妊娠したときに、もし産まれてきた子どもが障がい者だったらどうしようと考えた私。
そんなことを考えてもしょうがないんだけど、
少なからずともふと思ってしまう人もいるんじゃないかな。
それが子どもを宿す重みのようなものだと。
でも、子どもが障がい者であろうとなかろうと、
“自分の子どもである”ということには変わりなくて。
ちゃんと向き合って子育てしていくことには変わりないってことをすごく感じたの。
自分を母親として選んできてくれた我が子にありったけの愛情を注ぐ。
そこに障害があろうと、健常者であろうと違いはない!
子どもの才能を見つけて伸ばして寄り添っていく
母親 泰子さんの姿勢にとっても感動しました。
私もそんな母親でありたいと。方法やゴールは違ってもね。
とにかく、子育ての勇気をもらった!!
あと、“宇宙の計らい”みたいなものもすごく感じて。
翔子ちゃんを出産した病院や、輸血をするというお父さんの決断、
小学校編入を断られたことで、書に向き合う時間ができたこと、
お父さんが亡くなって、約束してた個展を開き、
そこから幸運の渦に巻き込まれたようなストーリー。
ひとりの力や努力だけでは到底成し遂げられないと思われる出来事が
どんどん起こっていく感じ。ぞわぞわする。
悲しかった出来事や、今思うと不思議な選択が
のちの人生を大きく後押しするようになっている。
これってかならず誰しもあてはまることで。
自分にはそんな“宇宙の計らい”なんてないと思っていても気づいていないだけで。
そこにまた“尊さ”や“美しさ”みたいなものを感じるね。
そして、感謝したくなる。
この本と出会ったことも“宇宙の計らい”かもしれないと思うとワクワクする。
これからもっともっと幸せな出来事に出会えるんじゃないかと。